WORKSHIP COLUMN Vol.04


■カウントダウン・トーキョー

リオオリンピックも閉幕し、いよいよ東京オリンピックへのカウントダウンが始まろうとしています。
1964年に開催された東京オリンピックは戦後復興を果たし、高度成長期へ向かう日本という時代背景がありました。また、世界の大きな課題も資本主義と社会主義の東西対立が主要なものでした。

その後のソ連やベルリンの壁の崩壊、イデオロギー対立の終焉、グローバリズムの蔓延などを経て、現在の課題は、1980年代から顕在化し始めた地球規模の環境問題、また、いわゆる先進国と発展途上国の南北対立にとどまらず、先進国間においてもさらなる地域経済格差の拡大といったステージに入っており、この経済問題に宗教・民族問題が複雑に絡み合って憎悪の連鎖(テロの拡散)を生み出すに至っています。

日本はと振り返ってみると、歴史上、類をみないスピードでの少子高齢化による人口減少に直面しています。国立社会保障・人口問題研究所によると約50年後の2060年には、人口は現在の約1億2,000万人から約8,600万人まで減少すると予測されています。日本という国の根幹を揺るがす重要な問題です。戦後50年の変貌を考えると、これからの50年も大きな変貌を悪い意味で遂げる可能性は十分にあると言えます。また、各地でおこる大震災や原子力エネルギー問題もまだまだ議論も手立ても尽くされていません。

さて、話を冒頭のオリンピックに戻すと、1964年のオリンピックが戦後復興を遂げ、経済成長を駆け上がろうとする日本を象徴するものだったとして、2020年のオリンピックはいったい何を日本の国内外に象徴として示そうとするのか?
東京オリンピックの公式ホームページでは3つの基本コンセプトが掲げられています。
『全員が自己ベスト』『多様性と調和』『未来への継承』
もちろん先に書いた時代背景も盛り込まれていますし、持続可能性への検討も行われています。
「スポーツの祭典」という枠組みで何を表現するのかは難しいですが、肥大化したマネーゲーム「経済の祭典」に終止符をうち、人間にスポットをあてた「人の祭典」となってほしいですね。

執筆者:元氏 誠



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